旅館で着替えをしていたら、いきなり外から「あのオープニング」が聴こえてきた。と言ってもお役所が流す防災放送的なチャイムにアレンジされている訳だが、「お前ら起きろー!」とでも言いたげなバカでかい音量。夜明けと共に起き出し、日が暮れたら寝静まるという、地方ならではの規則正しさがあるのだろうが、これは立派な目覚まし時計である。
さて、早速旅館を飛び出して街へ出てみた。昨晩8時頃久慈駅に着いて、営業しているのは警察と消防とコンビニだけではないかというほど寝静まっていたが、朝9時の久慈市街もまだ寝静まっているのか、メインストリートは人っ子一人歩いていない。気付いたのは、お店のシャッターに「あまちゃんアート」でも言ふべきイラストがあちこちにあること。
これはよく描けてるわー、と感心してしまう。アキはちゃんと「ミサンガ」を付けているし。
これは潮騒のメモリーズ?少し萌えキャラ的な二次創作だ。
安部ちゃんというキャラもこのドラマで結構重要な位置をキープしていた。まめぶ汁を愛してやまない安部ちゃん、この地味な郷土料理について、どうも北三陸の人々は終始自虐的である。「まぁ材料とか味付けとか見ても、劇的に美味いわけねーな」となる訳で、わたしも進んで食いたいとも思えないな(笑)。
それと、安部ちゃんが絡む名珍場面と言えば、三陸鉄道の車体に「安部ちゃん、オラど結婚してけろ」と大書きして走らせるシーン。このヘンのユルさがたまらん!本気で町おこししたいのなら、この安部ちゃんの電車をずっとそのまま営業用で走らせたらいいと思った。同じようにプロポーズしたい人、メッセージを届けたい人に車体一両提供するとかね。
さっきからずっとシャッターばかり見てきたが、この後シャッターは開くのか心配になってきた。だって、本当に人が歩いていないもんだから。
これですよ。何だっけなー、「誰もいない」とかいう写真集があったっけ?都心の大通りや首都高速などの幹線道路で「誰もいない」神秘的とも言える景色を撮りためた写真集。誰もいない瞬間を撮影するために何週間も張り込んだりしたとか。ここでは逆に人を見つけるのに待たねばならないようだ。