ドラマ「壬生義士伝」

とにかく泣いた、ひたすら泣いた〜渡辺謙さんの「壬生義士伝」

もちろん盛岡城でがんす東京都日野市で行われた新撰組まつりから

 壬生義士伝は、平成14年のお正月時代劇(テレビ東京で約10時間!)と平成15年の映画版がある。はっきり言って、拙者の家族の全てが「テレビ版」を推している。テレビ版の主役:吉村貫一郎役は渡辺謙さん、映画版吉村貫一郎は中井貴一さん、どちらも俳優さんとして申し分ないはずだが、拙者は「壬生義士伝は謙さんしか有り得ない」と思っている。中井貴一さんはちょっと格好が良すぎた。貴族か、サラブレッドな武将の雰囲気で、食ってくだけでも精一杯、という南部藩の悲愴感が漂ってこない。それに対して謙さんは泣けた。とにかく泣けた。号泣と言っていいくらい(笑)。吉村貫一郎の上司:大野次郎右衛門役も、テレビ版では内藤剛志さん、映画版では三宅裕司さん、はっきり言って内藤さんに軍配でしょう!
 南部盛岡藩士を描いたテレビ・ドラマが数少ないだけに、大きな話題をさらった「壬生義士伝」〜家族全員が太鼓判を押した「テレビ版」の泣ける場面の数々を追っていくことにする。

第一部〜遥かなる故郷(この題だけでも 泣げる)

岩手山

 ぱーっと岩手山が美しく映える南部盛岡〜「すずくいし(雫石)花っこは、よがんすかぁ」と、花のような美少女「しづ」が花を売りにやってきた。彼女に思いを寄せる二人の南部藩士は吉村貫一郎と大野次郎右衛門である。二人は昔っからの幼馴染〜でも次郎右衛門は四百石組頭を継ぐ身分だけに、百姓の娘を嫁に迎える訳にはいがねぇ。一方、貫一郎はさんさ祭りの夜、しづを連れ出して求婚してしまう。悔しがる次郎右衛門は「よすむら!俺が惚れた女だ、大事にせにゃ承知せんぞ!」と祝いの言葉をかけるのであった。

花っこがキレイなお城でやんすもちろん盛岡のお城でやんす

 さてさて、吉村は苦学して藩校の助教まで勤めるまでになったが、所詮身分は足軽、それでも二人の子宝に恵まれて幸せな人生を送っていたが〜元治元年、南部盛岡は凶作にみまわれていた。映像ではカァーカァーっとカラスがけたたましく鳴く声が生々しい。餓死した農民が大八車で次々と寺院へ運ばれていく。大野家では領民への炊き出しを行うが、殺到する人々で修羅場と化していた。神も仏もね、と唖然とする次郎右衛門〜飢餓は確実に藩士達にも忍び寄っていた。
 そんな中、吉村貫一郎の母親千代が死ぬ。千代は、二人の孫に食べさせるために自ら食を断ったのだ。しづ(高島礼子) は「わだすの性だ!わだすが気付かねぇばっかりに」と号泣する。貫一郎も涙を流して「おめの性でね、誰の性でもねぇ、お母さん、有難うごぜーました、おもさげながんす」しづは、「わだすが小さい時にひでぇ飢饉でいっぱい死んだ、わだすの母親もわだすにだげ食べさせて自分は木の皮とか草ばっかり食べて、動かなくなったぁぁ」と番組は完全に号泣モードに入る。
 その夜のこと、「お父様!お母様がいねぇ!」長男嘉一郎の訴えに貫一郎は上田の堤へ駆け出す。池の中に、自害しようとするしづがいるではないか!しづは既に身篭っているというから大変、「死なせてくだせぇ!死なせて」「こんばかたれがぁ!」しづを池から引きずり出して地面に倒れ込んで泣く二人。泥んこでずぶ濡れで寒いし、ひもじいし、もう情けねえったらねぇ。「お父様!お父様!」と息子嘉一郎が妹をおんぶして追いかけてきた。親の情けねぇ姿を見せてしまった貫一郎は「おめー家にいろといったろ!」と諭すが、嘉一郎はその場に正座して地面に手を付き、

 「お父様、お母様を怒んないでくなんせ、お母様、元気なおぼこを産んでくなんせ、あっしは兄やんだから、もう腹なんか減らねえ!」
  嘉一郎!おめーいつの間にそんな成長したんだ・・・もう見るに耐えないほど号泣モードだよ!



※上田の堤・・・現在の高松の池〜おしづさんが身を投げようとした場面がここ

吉村貫一郎〜脱藩の決意

 さて、吉村貫一郎の相談相手である大野家の中間佐助(村田雄浩:またいい味出してる)は、新撰組の話をする。佐助は商用で京都へ行ったことがある(ちゃんと豪商「鍵屋」が出てくる)。すんせんぐみが羽振りがいいんだってば、と話を聞くうちに、吉村貫一郎は脱藩浪人となって京に出ることを決意する。大野次郎右衛門は、本来なら脱藩者を処罰する立場であるが、差し入れとして着物一式を贈るのであった。
 いよいよ盛岡を去る貫一郎〜別れ際におどーしゃん!と戯れる長女に「こんな父親を・・・許せ!」と泣いて詫びる貫一郎であった。



↑写真左側はもちろん盛岡城の石垣〜写真右側は中津川・・・吉村が家族に別れを告げる場面

→次ページ:壬生義士伝〜京都における吉村貫一郎


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